「お疲れ様でした〜」
今日の練習が終わって、ロッカー室で着替えをしていると、
天暫先輩が話しかけてきた。
「お〜う蝦蟇ちゃん。 明日は暇かね?」

明日は休日。アルバイトも休みだ。
「え、ええ・・・。」
そういうと、メモ用紙をもらった。
「ここのバイトがイイぜ。楽しく稼げるからなぁ。随時だからお前の開いている日に行けばいいんだよ。」
メモ用紙にはこう書いてあった。

モンスタープロレス ID=***** 天暫

「モンスタープロレス・・・?ですか・・・初めて聞きますね。」
「そりゃそうだ。表にはでないからなぁ。ん・・・なんだ?不満か?」

「いえ・・・そんな事は・・・ないです。」

「大丈夫だって。俺も時々お世話になるから、見せれば分るから・・・心配すんな。」

・・・十分不安だった。

次の日、天暫先輩の渡してくれたメモ通りの場所へ行ってみると・・・
そこは雑居ビルだった。
中に入ると、上に続く階段と地下に続く階段がある。
場所は地下という事なので、階段を下りると壁には、
モンスタープロレスのポスターが何枚か張ってあった。
そして、薄暗い部屋に人物のシルエットがぼんやり見えた。
確認しに近づいてみると・・・
「おや、新人さんかい?」

受付の獣人が話しかけてきた。
僕は、もらったメモ用紙を見せた。
「ああ・・・天暫さんの紹介ね・・・」
そういうと、扉の鍵を開けた。
「さ、入ってくれ・・・次は、突き当たりを右に行って、窓口に話しかけてくれ。」
奥に入ると扉がしまった。
不安になりつつ言われた通り右に曲がり、窓口にいる獣人にメモを見せた。
「ああ・・・天暫さんのだね。脇のドアから入ってくれ。」
僕は、言われた通りドアに入った。
受付の獣人が、ドアの鍵をかける。
僕は何をされるのかな・・・
「これからやる事は随時だから、他のバイトを掛け持ちでも心配ないよ。」
「これから何をするんですか・・・?」

僕は、思いきって聞いてみた。
あたりは薄暗く、石畳・・・あまり、良い印象は受けない。
「内容は、ここの選手達のお世話だよ。中にはタフなのもいるからねぇ・・・」
そう言うと、奥から台車を運んできた。
お世話?タフ?やっぱり・・・
「まず、貴重品と服はここに入れてくれ。」
しかし、先輩達以外に裸を見せるのは、恥ずかしい・・・少し気にしながら服を脱ぎ始めた。
「あと、下着もね。・・・君、いい体しているねぇ。俺の好みだな。」
まじまじと見られると、余計に恥ずかしくなる。
「・・・脱ぎました。」
「ん・・・ああ、見とれてしまってすまないね。じゃあ、行こうか。」

さっきとは別の台車を引いて、奥のドアから出ると・・・
少し広めの部屋に、5つの鉄の扉があった。
「どこからでもいいけど、全部回ってきてくれ。各部屋から出てきた時は、俺がしっかりケアするから心配いらないからな。それじゃあ頑張ってきてくれ。」
そう言って僕に鍵をくれた。意を決して扉の前に向かう。
最初はどこから入ろうか・・・



一つ目の扉(一番左)

二つ目の扉

三つ目の扉(真ん中)

四つ目の扉

五つ目の扉(一番右)